BarcaFiore 創業のものがたり

始まりはホコリにまみれた1本の精油瓶。

1本の精油が自分の心を救ってくれました。その頃の私は身も心も疲れ果てていたのですが、そんな自分がよくわからないほどに。ただ何かに癒されたくて、ふと引き出しの奥から引っ張り出したのはホコリにまみれた1本の精油瓶。フタをあけて香りを嗅いだ瞬間…、なぜか涙が止まりませんでした。心をわしづかみにする音楽のような感覚が、香りにもあるということを初めて知りました。
香りに携わる生き方を選んだきっかけは、ありきたりな言葉かもしれませんが「胸が熱くなった」その一言に尽きます。精油ってなんだろう? なぜ感動したんだろう? なにに感動したのだろう? 知りたい!! という気持ちに突き動かされるかのように、それまでしていた仕事を辞めてハーブと精油(アロマ)を扱う店舗の販売員になりました。

“あの感動”を癒やしを求める人たちに伝えたい

毎日のように、店頭でハーブや精油の商品についてお客さまに説明し、販売していました。お客さまから学ぶことも多く、精油についての知識を深める日々を楽しく過ごしました。例えば、ガンを患った後、奥様から精油の芳香器を贈られたのがきっかけで精油をまとう生活を送るようになった方。受験生のお子さんの健康をハーブや精油を用いて維持しようというお母さん。自然の香りを使った自分用の香水が欲しくて探しに来られた年配の男性。精油を必要とする人はこんなにもたくさんいるのだ、ということを知りました。
でも同時に、精油は身近な存在ではないということも知りました。精油は日本では雑貨扱い。その言葉でさえ店を1歩出るとピンと来る方は周囲にはあまり多くいません。また精油は一般的に資格がらみの専門分野と認知されていて、精油を使って何かをつくる場合には体験教室に参加するか、すべての材料を購入して自作するしかありません。そんなハードルをとっぱらって精油を身近に使えればいいのに…自分を救ってくれた“あの感動”を癒やしを求める人たちに伝えたい!! 精油について知れば知るほど、そうした想いが強くなりました。

鳥取から沖縄。そして神戸で精油に出会う。

話は昔に遡ります。私の故郷は鳥取県。動植物がたくさんいる賑やかな家で育ちました。父は元サーファーで自然からインスピレーションを得るのが好き。母は美術品や工芸品が好き。そんな父母に影響されたのでしょう、18歳になると家を出て独自の歴史と文化を持つ沖縄で一人暮らしを始めました。そこは亜熱帯。色彩豊かな自然環境と生態系に畏敬の念を抱く日々だったように思います。圧倒的な自然の中で、命の尊厳、ちっぽけな自分の心が解放される感覚なども知りました。
沖縄暮らしの後、神戸で暮らすようになったのですが、姫路の革細工を初めとする土地に根差したクラフトマンシップに感動して自分なりの方法でものづくりを続けてきました。そうこうするうちに出会ったのが精油の世界。精油は香るだけじゃない、身に付けることができるもの。それを広く色んな人に知って欲しいと思うようになりました。

手づくりで試作品を完成。

古来から日本には植物の香りを嗜む文化があり、薬草を使って健康を補助してきた歴史があります。また香りは原始的ながらも論理的でもある世界をその母体としています。科学的研究は19世紀に入って本格化したばかりという発展途中の分野ですが、暮らしの知恵や代替医療の分野でのハーブと精油の認知は古代からなされており、生活に根差した先人の知識や歴史は深い地層のように存在します。
その深い地層に潜り込むように勉強を重ねました。精油を身近な生活に採り入れること。それが簡単に実行できる方法を模索しつづけて、やがて行き着いたのがボディジェルというカタチ。そのとき出会った友人と家族に支えられつつ、中身はもちろん商品のラベルのグラフィックも、ひとつひとつ手づくりで試作品を完成させました。

最初の商品は“Soan”と命名。

振り返れば、転職した仕事も辞めてアルバイトをしながら時間が許す限りボディジェルの開発に取り組んできた日々が遠い昔のような。でも、たくさんたくさん試行錯誤したこの1年間が、あっという間だったような。
試作を経てやっとできあがった最初の商品には、家族や人の安らぎを想うという意味から「Soan(ソアン=想安)」という名前を付けました。できるだけシンプルでありたいという願いから“素案”という意味も込めています。私が初心に立ち返るのは、いつもあの“ホコリにまみれた1本の精油瓶”ですし。
グラフィックにも強い思い入れがあるんですよ。あるバンドのライブに一緒に行ったのがきっかけで今日まで苦楽を共にしてきているアーティストの友人が試行錯誤して描きつづけてくれたものだから。お互い未来を夢見る原動力が同じ音楽だったこともあり、励ましあいながら一緒に歩きつづけて来れました。いつかその音楽の世界にも“恩返し”をする気持ちで、ずっと今に至ります。

新しい香りの体験で、心を解き放ちたい。

ボディジェルの原料に選んだ天然精油は、たくさんのユニークな歴史と成分を内包しています。例えば、地球という惑星(ほし)が誕生し、大地が生まれた時、まず原始の地球を緑で覆い大地を潤して環境の土台をつくった地衣類「苔(コケ)」。また、万能のハーブと呼ばれ古い歴史をもつ「カミツレ」や写真が発明されたとき画像を定着させる原料に用いられた「ラベンダー」。日本ならではのものとしては、茶道において千利休が愛用して関白秀吉のせっかちな心を静めたといわれる「クロモジ」など。
古くからこの地球に存在し、人に役立てられてきた歴史を持つこれらの“植物のチカラ”が、現代においても心地よい香りと共に人の心身にプラスの作用を引き起こすはずという確信をもって、このボディジェルをつくりました。まずは素肌にこのボディジェルを塗ってみてください。ただひと塗り。そこから広がる新しい香りの体験が、お客様の心の扉を開くでしょう。涙であれ、喜びであれ、お客さまの記憶と香りがつながり心を解き放つ。そんな瞬間が生まれますように。お客さまの素敵な明日につながりますように。
なお、精油は既定の希釈濃度以下でも十分素肌に作用するように独自の処方で配合しています(特許も出願しました)。既定の希釈濃度以下で、いろんな人に安心して使ってもらいたいからです。BarcaFioreのBotanical raw gel(ボタニカルロージェル)は、安全性を考慮しながら、芳香成分と薬理成分、ふたつの側面から人の心と体にアプローチする商品。気持ちよく使っていただけたなら、それに勝る喜びはありません。